年末年始やゴールデンウィークなど、お店や企業などが長期休暇を取る際に気を付けることとして、3つの観点で紹介します。
【対顧客】サービスの休止、電話やメールのお問い合わせ対応の遅延を告知する
会社のメンバーが長期休業してる間も、サービスやお問い合わせ対応が通常と変わらず可能であれば問題ないのですが、普通はお問い合わせの回答もお休みすることが多いと思います。そんなときはリアル店舗がシャッターの前に貼り紙をするのと同様に「いつからいつまでお休みか」ということがわかるようにしておくことが大切です。
休暇期間について、Webサイトのトップページなど見やすい場所にお知らせを掲示する
まずは基本として、休暇の期間についてWebサイトのトップページなど見やすい場所にお知らせを掲示しましょう。
・店舗・会社・団体のお休み期間について記載(yyyy/mm/nn~yyyy/mm/nn)
・お問い合わせ対応やサービスが通常より遅延する場合、通常の営業時間と変更がある場合は、その旨も記載
回答が通常よりかなり遅れる場合は、お問い合わせページにもその旨を記載
お問い合わせの数がそれなりに見込まれるにもかかわらず、通常より長めに休業する場合は、Webサイトのトップページだけでなく、お問い合わせページや、運用している各種SNSにもその旨記載しておくと安心です。
店舗名や企業名で検索した際に、サブリンクとして検索エンジンがWebサイトのトップページ以外によくアクセスされるページなどを自動表示することがあり、トップページを見ない、また休みの日でもFacebookやTwitterは運用しているだろうと思ってアクセスする人がいる可能性もなくはないためです。
お問い合わせの自動返信メールに、お問い合わせの回答が遅れる旨を記載しておく
さらにWebサイト上だけでなく、お問い合わせの自動返信メールに、お問い合わせの回答が遅れる旨を記載しておくと完璧です。「問い合わせの返事が遅い!」「Webサイトにも表示していたのですが…」「そんなのは見ていない!」といった不毛なやり取りをしなくて済みます。
※長期休業が終わったらその記述を削除することを忘れないように、自分にリマインドメールをしておくとよいでしょう。
【対社内】自社の決裁者、チームメンバーの緊急連絡先を確認しておく
連絡がつながるかどうかの確認も
考えたくはないですが、炎上、災害などで上司やチームメンバーに緊急連絡、相談をしたいということも絶対ないとは言えません。海外旅行など、電話がそもそもつながらない場合があるため、連絡可能期間と緊急連絡先を共有しておくとよいでしょう。
連絡がつかない期間だらけ…と言う場合は、権限移譲することと判断基準を明確化しておくと安心です。
IPアドレスで管理画面等に制御をかけている場合は要注意
セキュリティ対策でIPアドレスで管理画面等に制御をかけている場合は、何かが起こっても自宅から対応することができません。年末年始でも出社ができれば問題ないですが、公共交通機関がマヒする事態等になった場合のことを考えておきましょう。緊急時に管理画面を自宅から使う可能性のあるメンバーがいる場合は、自宅のIPアドレスをあらかじめ取引先の制御担当に伝えておけば、有事の際にそのIPアドレスのみ開放するということができます。
※退職者や異動もあるため、退職・異動があるたびに最新の情報に更新しておくとよいでしょう。
【対取引先】トラブルに備えて、取引先の休暇日程や緊急連絡先を確認しておく
取引先の長期休暇日程について確認しておく
制作会社やサーバー保守を外部に依頼している場合は、長期休暇日程を確認しておきましょう。
年末ぎりぎりや年始早々になって「あ!これ急ぎでやりたい…」と思っても、年末年始進行で取引先もいっぱいいっぱいかもしれませんし、すでに休暇に入っているかもしれません。
Webサイトのトラブル・サーバートラブル等に備えて、制作会社や契約サーバー会社の緊急連絡先を確認しておく
こちらも制作会社やサーバー保守を外部に依頼している場合のケースですが、万が一のトラブルに備えて、緊急の際はどこに連絡したら対応してくれるのか(してくれないのか)を確認しておくとよいでしょう。
契約書に記載がない場合は、協議の上記載しておくとよいでしょう。
教えてもらった緊急連絡先を自分の持ち歩くスマホに登録しておく
そして教えてもらった緊急連絡先は、休業中自分の持ち歩くスマホに登録しておくようにしましょう。
せっかく教えてもらっていても、「会社に行かないと連絡先がわからない」では手も足も出ません…。
筆者が実体験したこととしては、ゴールデンウィークの旅行中、早朝4時にサーバーダウンのお知らせがあり、布団の上で青ざめてサーバー保守会社に復旧依頼をかけたことや、同じく旅行中に顧客からのお問い合わせメールが不通となり、関係者に事情をヒアリングしたり、問い合わせ対応担当に指示出しをしたことがあります。
また、とある事業主は「Webのみで予約を受けつけている」のにもかかわらず、休みの間にサーバーエラーでWebサイトの閲覧ができなくなりました。このときはさらにレンタルサーバー会社のホームページには「土日祝は休業です」としか記載がなく、震えあがっていました。
休業中にするのは避けたほうが良いこと
お問い合わせやクレームが来る可能性のある発表は避ける
お問い合わせ対応ができる状態にない時に、新サービスや価格改定等のお知らせを出したり、メールマガジンを配信することは割けておいた方がよいでしょう。クレームやトラブルになった際に、問い合わせができないことにさらなる不満をもたらすからです。
基盤変更等もなるべく避ける
サーバー入れ替えや、基盤の変更等は、トラブルがあっても復旧が可能なスケジュールや、稼働状況をしっかり確認できる体制や、万が一の相談体制を万全にしておきましょう。1週間のうちでいうと、金・土・日、祝祭日の当日や前日、1日の中で言うと定時ギリギリのリリースは避けるなど。対応ができないのであれば、別の日程にしたほうがよいでしょう。
万全の体制にして、しっかり休息をとっておくと、お客さまにも余裕をもって対応が可能です。