Webサイトへの来訪が少ないので、数を増やしたいという方はとても多いです。
詳しく説明する前に、まずは「アクセス数」を構成する要素を分解してみましょう。
※アクセス数は「訪問者数」と捉えるケースと「PV」と捉えるケースがありますが、今回は「PV」として解説します。
アクセス数(ここでは月間PVとします)
=「アクセス人数(1)」×「アクセス頻度(2)」×「1回のアクセスで閲覧する平均ページ数(3)」
となります。
(1)から(3)のいずれか、またはすべてが数が増えることで、アクセス数が増えるということになります。
どこを増やすかはサイトの状態によりますが、「アクセスを増やしたい」とご相談いただくケースのほどんどは「人数を増やしたい」であることが多いので、今回は「(1)Webサイトにアクセスする人の数を増やすには」について解説します。
Webサイトにアクセスする人の数を増やすには
アクセスする人の数を増やすには様々な方法がありますが、アクセスを増やす取り組みをした後、検証しやすいように下記の「集客経路」の分類で説明を進めます。
1:Organic Serach(検索エンジンでの検索経由)
2:Social(SNS経由)
3:Direct(直接)
4:Referral(別のWebサイト経由)
5:Paid Search(広告経由)
※上記の分類は無料のログ解析ツールGoogle Analyticsの「集客」というメニューで検証できます。
1)-1: Organic Serach(検索エンジンでの検索経由)
自分自身がインターネットでWebサイトを閲覧する際のことをイメージすればわかりますが、何かの調べものや、特定のテーマのWebサイトを探しているときにはYahooやGoogleといった検索エンジンで検索することが多いと思います。
検索エンジンは、Webサイトの各ページに掲載された文章(テキスト)や、そのWebサイトがどのくらい信頼できるWebサイトやSNSなどからリンクをもらっているか、ユーザーのページの滞在時間はどのくらいか、情報は最新か、などといった項目をもとに、「その検索キーワードを使って検索しているユーザーに役に立つWebサイト」を検索結果の上位に表示する仕組みを持っています。
つまり裏返すと、「あるテーマで、そのユーザーにとって役に立つサイト」を心がけてサイトを構築すれば、検索エンジンの表示結果はより上位になるはずです。
ユーザーにとって実際に役に立つWebサイトであれば、下記のような好ましい結果につながるからです。
- 検索エンジンがあなたのWebサイトを見つけやすくなる
- 他の関連サイトからリンクをもらいやすくなる
- SNSでも紹介されやすくなる
- Webサイトに来訪したユーザーが、じっくり読むので滞在時間が長くなる
あくまで、「ユーザーにとって役に立つ」ことを意識することが大切です。「リンクをもらう」「SNSで紹介してもらう」といったことは、無理に取り組んでも、検索エンジンに見破られてしまいます。
Webサイトに来訪する人がどのような課題を抱えているのかということは、実際にWebサイトに来訪する人がどのような状況でどんなことに困っているのかは、実際にユーザーとなりえる人に直接ヒアリングをするのがよいでしょう。
予算や時間がなく、ヒアリングも難しい…という場合は、Webサイトに「サイト内検索」のキーワードを設置し、そのキーワードからWebサイトに期待する機能や説明文を推し量ることができます。
1)-2:Social(SNS経由)
あなたがWebサイトでどれだけ魅力的なことを公開しても、ユーザーが検索エンジンで課題意識を持って検索しないかぎり、あなたのWebサイトに辿りつくことは困難です。
オシャレなカフェでも、山奥にぽつんと立っている店ならば新メニューのお知らせを、店の前の看板だけで訴えても気づく人がいないのと同じです。そこで、Webサイトの更新情報や、企業・団体としてユーザーの役に立つ情報、ユーザーが面白がりそうな情報をFacebookやTwitter、InstagramなどのSNSで紹介することで、ターゲットとなるユーザーは、新しい情報に気づくことができます。人にお勧めしたいようなレベルであればほかの人にシェアをしてくれるかもしれません。
Webサイト本体で頻度高く更新することができるならば、各種ブログサービスやWordPressのプラグインなどでも、更新を自動的にSNS連携するツールがあるので、必ずしもわざわざSNSに手動で投稿する必要はありません。
Webサイトでも、ブログでもそれほど更新がされていない場合は、運用するパワーをよく見極めて開設・運用するようにしましょう。
関連記事:ブログなどの記事をSNS等で告知するパワーがありません
1)-3:Direct(直接)
次に、数は少ないかもしれませんが大切にしたいのは「Direct」です。
これは、スマートフォンでアプリ(TwitterやFacebookのアプリも含みます)経由で来訪した人、またURLをダイレクトに入力して来訪した人、またはメールアプリやメッセンジャーアプリなどで紹介されて来訪した人の数になります。
つまり、「誰かに勧められて来た人」か、「もともとあなたの企業・団体のことをほかの媒体等で知っている人」となります。
ここを意図的に増やそうとするのは難しいかもしれませんが、「ユーザーの役に立つサイト」作りを意識したうえで、他にできる細かな工夫としては下記のようなものがあげられます。
- 企業・団体で出す告知物(名刺、封筒、ポスター、チラシ、パンフレット等)には必ずWebサイトのURLを入れる
- 全スタッフのメールのフッターの署名部分にWebサイトのURLを入れる
- イベントのアンケート等で、「●●のWebサイト(http://…)では△△できることをご存じでしたか?などの設問を毎回入れるようにする
1)-4:Referral(別のWebサイト経由)
検索エンジン対策でもありますが、実際のユーザーを誘導するという意味で、他の関連サイトから「自然な」リンクをもらえるように働きかけをするとよいでしょう。
関連記事:Webサイトを作ったが、検索に引っかからないのはどうして?
NPOであれば、市役所や社会福祉協議会、関連NPO、関連ブログなどからももらえるならリンクを貼ってもらうよう働きかけるということです。
その際、ただリンク集などにリンクをポンと貼るだけでなく、課題の解決策を説明する記事のなかで、どんなことをしてくれる企業・団体なのかという紹介があるとクリックしてもらえる確率が高いと思います。
実際のユーザーが、どのような課題意識を持って他のWebサイトを使っているのかをヒアリングできるようなら、ぜひその意見を取り入れて、関連サイトに働きかけてみるとよいでしょう。
1)-5:Paid Search(広告経由)
アクセス数を増やすために、ぱっとできることの代表としては、広告です。自分のWebサイトのテーマと親和性が高い人が集まるWebサイトに、バナー広告を出したり、メールやSNS、アンケートサイトでの広告という形もあります。
しかし、広告は効果が限定的なうえに、よほど知名度のある会社であったり、商品やサービスに魅力を持っていたりしない限りは、購入・申し込みはおろか、クリックすらされません。
まずは、Webサイトの見せ方よりも前に、商品そのもの、サービスそのものが本当にユーザーにとって魅力的なのか、ということから考えたほうが良いケースもあります。
商品、サービスに自信があり、あとは認知度を上げたいだけなんだ…という際にのみ、親和性の高いユーザーがいる場所に、ユーザーが困っているときに、ユーザーにわかりやすい言葉で語りかける広告を出して初めて、効果が上がることになります。
個人的には少ない予算で広告に賭けるくらいなら、商品やサービスに回す方が芽が出ると思います。
なお、広告のなかでも「リスティング広告」は、「ユーザーが入力した検索キーワード」に対して広告を表示させるタイプの広告で、「クリックされたときに課金が発生」するので、予算が少なくてもとっつきいやすい広告です。
ただし、本当に効果を出そうと思うなら「粘り強い運用」が必要な広告となるので、リスティング広告を集客の柱にしようと思うのであれば、ある程度そこに時間をかけることのできるスタッフをアサインするか、思い切って外注してしまうのがよいかもしれません。
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