長年Webサイトを運営している場合は、パソコンからの閲覧が主流だった時代に作られているため、スマホ対応されていないことが多いです。
そろそろスマホ版も用意しなければならない…と検討するものの、抜本的にリニューアルする予算がない場合、パソコン版のページをスマホ用にも表示できる「スマホ用変換サービス」はどうだろう…と気になることと思います。(スマホ用コンバーター、ジェネレーターなどと呼ばれることもあります。)
今回はこの「スマホ用変換サービス」のメリット、デメリットについて説明したいと思います。
「スマホ用変換サービス」の導入のメリット
- (抜本的にリニューアルをするより)コストがかからない
- (抜本的にリニューアルをするより)手間がかからない
上記2つにメリットは集約されます。
たとえば100ページあるパソコン用のWebサイトをレスポンシブ対応しようと思った時には、(構成にもよりますが)ほぼすべて作り替えとなってしまうため、数十万〜という見積もりが一般的かもしれません。
スマホ用変換サービスの場合は、数万円程度の初期費用と、数万円の月額利用料というケースが多いので、予算がない場合にはよいかもしれません。
また、パワー的にも100ページ分の原稿がきちんとリニューアルされているかを確認する作業はそれなりに時間がかかります。現状、社内でリニューアル用のスタッフをアサインできない場合も、スマホ用変換サービスが有効かもしれません。
では次にデメリットを説明します。
「スマホ用変化サービス」の導入のデメリット
導入が簡単…とも言い切れない
通常、スマホ用コンバーターは意外と導入に手間がかかります。
Webサイトに行なう変更自体は、指定のタグを貼るだけだったとしても、よくあるのはコンバーターの管理画面にログインをして、そこから「なにがニュースでなにがタイトルなのか、どの画像をスマホ用に差し替えるのか」などを逐一指定していかなければなりません。
ページ数が多いと、それを各ページで行なわなければならないので、かなりの手間ということがあります。
※一部業者の場合初期費用にこの処理作業が入っている場合もあります。
月額費用がかかるので、長い目で見るとリニューアルよりコストがかかる
月額費用が安いところで数千円、高いところで10万円近くかかるので、長期間利用しているとコストがより多くかかります。
いつまで使うのか、ということをあらかじめ決めておいて導入するのがよいでしょう。
SEO効果はない
Googleは、スマートフォン対応しているWebサイトを検索上位に表示すると宣言しましたが、スマホ版コンバーターの場合はパソコン版のWebサイトの表示を「スマホ用に見せる」という処理が走るだけなので、Googleからの評価はパソコン版のものと変わらないというケースがほとんどだと思います。
SEOの順位が重要になるような事業であれば、抜本的にレスポンシブ対応をすることをお勧めします。
表示に時間がかかることがある
ブラウザがパソコン版のWebサイトの表示をする際に、スマホ版の表示をさせるという処理が走るので、一般のレスポンシブ対応のWebサイトと比べると表示に時間がかかるケースが多いです。
表示時間が直帰率やコンバージョンに大きく影響するような事業の場合は避けておいた方がよいでしょう。
上記をまとめると、スマホ用コンバーターを導入するとよいケースはこのようなものです。
- 将来的にはレスポンシブ対応をするリニューアルするかもしれないが時期は未定。ただ一刻も早くスマホ表示をさせたい場合(スマホユーザーのみ直帰率やコンバージョン率が低いなど)
- 集客の柱として、SEOの順位を重視しなくてよい場合(ほかに競合がいない事業、サービス名称や企業・団体名称での検索がほとんどの場合など)
逆に、スマホ用コンバーターを導入しないほうがよいケースはこのようなものです。
- 現在静的なファイルをFTPするなどの形で運用しており、近々リニューアルを検討している場合(CMSを導入するついでにレスポンシブ対応のリニューアルにしてしまうのがおススメです)
- SEOの順位により、業績が・左右されるような場合
導入するにしても、長期間利用する場合はいつまで使うのが「安くつく」ことになるのか試算して導入するのが良いでしょう。