イベント撮影を担当することになったときにおさえておきたいショットや撮影のコツ

NPOや中小企業の多くはカメラマンやライターにお願いする余裕がなく、Webサイトでのイベントレポート記事なども自分たちで撮影・執筆することが多いと思います。

今回は、「素人なのにイベントの写真撮影を頼まれてしまった!」という方のために、おさえておくとよいショットについて解説します。
(素材協力:ビッグイシュー日本・ビッグイシュー基金)

目次

イベントレポートには写真を入れよう

記事を読む読者にイベントの様子をイメージしてもらいやすい、テキストだらけの記事だと読むのに疲れる、といった理由から、イベントレポートの文章の合間には写真を入れるようにしましょう。
来場者がたくさんいた場合は、写真があることで会場の熱気が伝わりますし、来場者が少ない場合も、登壇者のよい表情を見せることで魅力を伝えることができます。
また、時系列で撮っておくことでイベント総括時の記録写真・振り返り資料としても利用できます。

※たまに写真だけのレポート記事もありますが、写真だけだとSEOに弱く、何を話していたのかわからないため、イベントについての詳細文章(メイン)に写真(サブ)という形で入れるのがオススメです。

どのくらい撮っておくとよいのか

レポートの長さにもよりますが、記事の中では見出しごとに1カット程度の写真が挿入されていると読みやすいです。どのくらい見出しがあるかわからない場合は、イベントの登壇者が変わるたび、または話すテーマが変わるたび、くらいに考えておくとよいでしょう。
長めのレポートだと10カット。素人は一発でいい写真が撮れるわけではないですから1カットごとに最低4~5枚は撮っておくとよいでしょう。
わっと会場が湧いたとわかるシーンがおさえられるとベストです。一度被写体を撮ったからといって満足せず、会場の様子や登壇者の表情、話しぶりをファインダー越しに様子をうかがって待ちましょう。

どんな写真を撮っておくとよいのか

例えば10カットを記事に使うつもりで、様々な角度から撮ることを意識してみましょう。

(どの写真も使いづらかった時のための保険として)
・建物の外観
例)

・会場となる場所の案内板・看板
・イベント会場での物販ブース
例)

(なるべくおさえておきたいカット)
・登壇者をバストアップで左右・正面から
・被写体が身振り手振りを使うときは必ず押さえる(挙手のシーンなど)
例)

・インパクトのあるスライドをメインに、登壇者が脇役の形で
例)

・登壇者の話を聞く聴衆を後方の席から(左から・中央から・右から)
例)

・登壇者の後ろから、話を聴く聴衆が小さく入るように
例)

・許諾が取れているなら登壇者の話を聞く聴衆の顔がわかるようにしたもの(真剣な/楽しそうな表情)
・許諾が取れているならワークショップをする聴衆の様子(真剣な/楽しそうな表情がわかるもの)/許諾の有無にかかわらず、誰の顔も写らないようにしたもの
例)

・付箋などを使うワークショップであれば、参加者が記入している手元の写真
例)

・付箋を整理して貼り付けたものがあれば、字が読める大きさのもの
例)

・当日アンケートを取っていた場合、好意的なコメントを書いてくれているもの

イベント写真で配慮するとよいこと

登壇者がうつむいている・目をつぶった写真・変顔写真だけにならないように

「登壇者がうつむいている」「目をつぶっている」「白目がち」「変顔」といったものばかりになってしまわないよう、なるべくたくさん撮影しましょう。
ファインダーごしに、じっと話を聞きながら「次に話しそうなこと」「次の行動」を想像し、顔をあげた瞬間、笑顔・真面目な顔などが撮影できるように狙ってみましょう。

被写体となる人の背景や手元がゴチャゴチャして見えないような角度で

被写体の背景に非常口の誘導灯や、登壇者控えスペースの備品が見えてしまったりすると、「ごちゃついた」「素人っぽい」写真になってしまいます。
背景がうんとぼかせる技術があればよいですが、そういう技術がない場合はなるべく背景がスッキリした確度をおさえられるよう、様々な角度から取ってみましょう。

また、ワークショップや参加者同士の議論の最中に茶菓子などが出ている場合、ペットボトルが大きく映らないように配慮したり、お菓子の包装紙や食べかすなどが写りこまないように、不要なものは片付けてもらうなどしましょう。

空席が目立たない角度で取る

どんなイベントであってもたいてい空席は出てしまいます。
空席が写りこまない角度で撮影する、人の頭が入るように低めの位置から撮るなどを意識してみましょう。

フラッシュをたかない

室内でフラッシュをたくと、顔がテカテカになってしまったり赤目になったり、ホワイトボードに反射したりとあまりいい結果を招きません。
撮影した後で補正が利くので、よほど暗い場所でない限りはフラッシュはたかなくてよいでしょう。

つまらなさそうに見える聴衆が写りこまないように

学生への講義の場合などは、最前列で居眠りや頬杖をしていることが往々にしてあります。
つまらないイベントに見えてしまわないよう、そういった人たちが映り込まないような角度を工夫しましょう。

髪型や服装に特徴のある人を悪目立ちさせない

聴衆を後ろから撮影するときに配慮したいことですが、あまりにも髪型や服装に特徴がある人がアップで写りこんでいると、記事を読む人がそこにばかり意識が行ってしまったり、「こういう人ばかり参加するイベントなんだ」と誤解されたり、本人が望まない形で個人を特定してしまったりします。小さく映る分には仕方がないですが、意図なく悪目立ちする髪型や服装の人が大きく写りこまないように配慮しましょう。

後工程に配慮した写真データの渡し方

撮影した写真をすべてメールやメッセンジャーに添付してしまうと、重くて受信しづらい上に、どの写真がよいのかわかりづらいことがあります。
記事にする担当の人へ写真を納品する前に、どのような形式が望ましいかを確認しておきましょう。特に指定がなければ下記の方法もおススメです。

1.Googleドライブなどに該当イベントのフォルダを作ります。
2.撮影ミス、変顔など絶対使わないものは省いて、全ての写真を1のフォルダに入れます
3.1のフォルダのなかに、「候補」というフォルダを作り、記事に使えそうな写真を入れます。
4.1のURLについて閲覧・編集権限を見せたい相手に付与する
5.1のURLを、記事担当者やクライアントに伝えます。

素敵な写真を撮影して、団体や企業の魅力を伝えられるように頑張りましょう!

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この記事を書いた人

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MARCHITECT

大阪出身。大学卒業後上京し、一部上場の教育系の出版社でコミュニティ運営、サイト企画、編集、Webプロモーションなどに約15年従事。
退職後、フリーランスとしてNPOや社会的企業を中心に、事業計画・運用改善・ディレクション・プロモーション・編集・ライティングなどでサポートしています。