「ライターさんに依頼したいけれど、どんなことをどこまで伝えればよいのかわからない」と迷う方のために、ポイントを10個にまとめてみました。

1.対象者と狙い

ライターさんへの依頼が不慣れだと、つい「イベントレポートをお願いします」「この商品について紹介記事を書いてください」と漠然と伝えてしまいがちですが、依頼時に「何のための原稿なのか」をきちんと説明しておくと、納品後の修正がかなり少なくなります。

初めての取引の場合は、自社事業や掲載媒体の目的から伝え、そのなかで今回依頼する原稿がどのような役割として期待されているのか(資料請求/来店促進/広告/採用など)を伝えるとよいでしょう。

そのうえで、記事の読者のイメージがある場合は、あらかじめ伝えておきます。

読者像が明確な場合に伝えておくとよいこと(ペルソナ)

  • 性別(男性向けか、女性向けか、性別不問か)
  • 仕事内容(会社員か、主婦か、自営か等)
  • どのようにして該当ページに来訪する想定なのか(検索/SNS/アプリやメールで紹介等)

など

2.テーマとキーワード

対象者と狙いに加えて、書いてほしい記事のテーマを伝えます。

「イベントレポート」ひとつとっても、様々なテーマが考えられます。参加者のビフォーアフター/主催者のこだわりやプロセス/イベントで話した内容にクローズアップ・・・など、特に強調したい部分がある場合はあらかじめ伝えるようにしましょう。

「商品紹介記事」も、課題解決型なのか、上質な暮らしの提案なのか、などイメージを伝えるとよいでしょう。

また、Webライティングの依頼でSEOを重視している場合は、記事に入れ込んでおいてもらいたいキーワードについても伝えておくとよいでしょう。

3.締め切り

スケジュールに余裕があるか特急なのかで妥当な報酬は変わってきますので、締め切りを伝えるようにしましょう。

締め切りが特に決まっていない場合も「なるはやで」等、あいまいな言い方をしてしまうと、相手の解釈によって納期が延びてしまうことがあります。「**にプレスリリース予定なので、余裕を持ってチェック・修正できるよう〇日前の*日までに初校を出していただけると助かります」「次の繁忙期にかからないよう、今月中にお願いできますか」などと、誤解のないよう締め切りを伝えるようにします。

また、締め切りに余裕がない場合は、日付だけでなく時間帯も指定するようにしましょう。

初回の取引となる場合は、原稿イメージのすり合わせに時間がかかることがあります。そのため、実際より余裕を持った締め切りを伝えたり、構成や進捗について確認するタイミングを設けたりするのもよいでしょう。

なお原稿量や難易度、媒体にもよりますが、急ぎでなければ1時間程度のインタビューを2500字程度の記事にする際、1週間程度の作業時間を確保することが多いように思います。

4.報酬額と経費

直接取引の場合、依頼時に報酬額を伝えないクライアントもいますが、トラブル防止のために必ず予算を伝えるようにしましょう。

報酬額はライターさんの経験や拘束時間などにも左右されますが、最低でも1文字1円以上はお支払するのが良いと思います。(あまり安い金額だと悪い噂が立ってしまうこともありえます。専門性が高い記事や著名なライターさんの場合は、1記事10万円近い場合もあります。)

また、報酬額以外に伝えておくとよいことは下記のとおりです。

  • 交通費等の経費(取材が入る場合はどちらが交通費を負担するのか、取材先との打ち合わせにかかるお茶代等もお支払する場合は、その上限額)
  • 税込か税別か、源泉徴収について
  • 請求書をもらいたいタイミング(納品月末までに、など)
  • 納品後の振込のタイミング(納品の翌月末払いなど)

上記の1-4をまずはざっくりと伝えて、受けてもらえるとわかったら4以降についても、自社の希望を伝えて具体的にすり合わせていくとよいでしょう。

5.体裁・字数

構成

例えばひとことでインタビュー記事といっても、インタビュワーとの掛け合い方式なのか、Q&A形式なのか、独白形式にするのか、客観的に話した内容をまとめるのかなど、いろんな見せ方があります。

指定がある場合は、あらかじめ伝えておきましょう。

具体的なイメージがある場合は、フォーマットを渡したり「例えばこんな感じにしてください」と、具体例を紹介したり、または小見出し例を作って渡したりという方法もあります。

表記

文字の表記ルールがある場合はあらかじめ渡したうえで、準拠するよう伝えましょう。

特に表記ルールがない場合も、「だ・である」「です・ます」のどちらなのか、またはもっとくだけた感じなどについて伝えておくと、修正の手間を減らせます。

自社サイトやパンフレットなど、合わせてほしいイメージの参考例を渡すようにします。

もし会社のポリシーとして避けたい表現がある場合は、あらかじめ伝えておくのが良いでしょう。

字数

Webサイトの場合、スペースの制限がないため、「何文字でもよい」と伝えてしまいがちですが、目安は伝えておかないと「思ったより少なすぎる/長すぎる!」ということが発生してしまいます。イメージ通りのページがある場合は字数をカウントして、このくらい、とお伝えしておくとよいでしょう。

なお、字数が少なければ簡単、多ければ大変、とも限りません。重要なのは「読者に届き、響くかどうか」です。

6.取材の流れ

取材が発生する場合は、アポ取りを誰がするのかを事前に明らかにしておきましょう。

クライアント側がアポ取りをしたうえで、ライターさんに日時を伝えることが多いですが、ライターさんにアポ取りからお任せする場合は、いつ・どこで行うのかを決まり次第共有してもらうと安心です。

7.事前調査・資料

事前に読み込んでおいてほしい資料がある場合は、お伝えしておくのがオススメです。

紙媒体と違いWebサイトの場合は、容易にキーワード検索などで他のサイトと比較できるため、読者に「他と同じような記事だ」と思われたり、SEOで不利になったりしてしまいます。

丸かぶりを避けるため、既存のサイトや資料を紹介したうえで、既存のサイトとの差別化ポイントを伝えるとよいでしょう。

8.写真やイラスト素材の手配

写真やイラストを入れる場合、どのように手配するつもりなのかを伝えておきましょう。

編集経験もあるライターさんなどの場合は、原稿イメージに合ったフリー素材を見繕ってくれることや、撮影やイラストをまとめてお願いできることもありますので、実績を確認してみましょう。(もちろん、撮影やイラストもお願いする場合は、その分増額してお支払が必要です)

※手配をお願いする場合は、著作権法に抵触しないよう、手配方法を確認しておくと安心です。

9.チェック体制、納品条件

取材が発生する場合、取材先へのチェックは誰がどのタイミングでするのか(一般的にはクライアントが確認しOKになったものを、クライアントから取材先にチェック出しするのが一般的です)、各所にチェック出しした結果、ライターさんに修正をしてもらうという事態が起こり得る場合はその旨も伝えておきましょう。

「納品頂いた後、担当者以外に取材先と**が確認して、担当者で修正しきれないものについては修正いただくことがあります。全員が確認してOKとなったら納品とさせていただきます」等と伝えておくとよいでしょう。

細かいところでは、Word / Googleドキュメントで、など、どのような形で納品してもらいたいのかを伝えておくとチェックが楽です。

10.著作権や署名

著作権はどちらが保持するのかを確認しておくと安心です。

ライターさんに書いてもらったWeb記事を、他の媒体にも転用することが考えられる場合、あらかじめ著作権がクライアント側にあることに同意してもらえるかを確認しておくと安心でしょう。

原稿を誰が書いたのか、ライターさんの署名を入れることがありますが、署名を入れたい場合は入れてもよいか、入れたくない場合は入れなくてもよいかを確認しておくとお互いに安心です。

上記の1~10について、具体的なトラブル事例とともにご紹介する「社内向けライティング研修」も承ります。料金はこちらをご覧ください。

この記事を書いた人

Sumiyo MAKINO

大学卒業後、ベネッセコーポレーションに入社、コミュニティ運営、サイト企画、編集、Webプロモーションなどに約15年従事。
退職後、フリーランスとして関西のソーシャル系の企業・団体を中心に、事業計画・運用改善・ディレクション・プロモーション・編集・ライティングなどでサポート。NPO広報友の会。
2017年よりビッグイシュー・オンライン共同編集長。​
2019年、準認定ファンドレイザー®試験合格。