セミナーや授業、イベント写真撮影時の注意点とコツ

セミナーや授業、イベントを実施する事業であれば、当日の風景の撮影画像を活動レポートとしてブログ等に掲載したり、サービス・団体のイメージを表す素材としてサイトのコンテンツに利用したりすることはよくあることだと思います。

そういったイベント写真を撮影する際に気を付けたいのは「肖像権」です。
本人の許可なく撮影したり、ネット上で公開したりすることは、「肖像権の侵害」となるケースがあります。

実際には肖像権に関することを法律で明文化したものは存在しないのですが、トラブルを避けるために、「無断撮影・無断掲載」とならないよう注意しましょう。

「うちが主催しているイベントで撮影した写真を、うちのサイトやブログに掲載して何の問題があるというのか…」という考えは危険です。

例えば被写体となる人には

  • そのイベントに参加していることは他の人に知られたくない
  • その日、その場にいることを特定の人に知られたくない
  • イベントのレポートはまだしも、広告には利用されたくない

という事情・ケースもあり得ます。

そういった事情を解決するために、イベント開始時に「本日は撮影が入りますが、困るという方は挙手してください」という方法を取るところも多いようですが、これでも万全ではありません。

例えば

  • 遅刻してきた参加者には説明がなされないことが多い
  • 大勢の前で挙手することが気が引けるという人もいる
  • 複数人数挙手した場合に、カメラマンが覚えきれず、撮影してしまうことがある
  • その場でカメラマンが覚えていて、写されたくない人がどうしても入り込んでしまって「あとで削除するなりぼかそう」と思っていても忘れてしまう・処理する人が別の人で引き継ぎを忘れてしまう
    などのケースがあります。

そこで、無難な策として採用されることが多いのが「後ろからの撮影」で本人とわからないようにするケースです。

たとえば授業だと下のようなイメージです。
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しかしこの角度の写真ばかりだと、肝心の参加者の表情が撮れず、「イベントの実施」は証明できても本来伝えたかったはずの「熱気」「活気」「参加者のやる気」「楽しげな雰囲気」などを写しきれません。

おすすめの写真撮影方法

そこでおススメなのが、「参加者が意思表示しやすい」「カメラマンも識別しやすい」「ブログやサイトに画像を掲載する担当者も識別できる」方法です。
少しの手間はかかりますが、効果的な写真を撮影しておくことはプロモーションに大きな影響を与えるので、試してみる価値はあると思います。

やり方としてはこのような例もあると思います。

  1. イベントの入場時にアンケート用紙を配布し、「イベント撮影同意欄」を設け、撮影・掲載に同意する/しないを明らかにしてもらう(社内共有および一般公開OK,または社内公開のみOKなどとしておくこともあります)
  2. 撮影開始前に「撮影に同意しない」人には、撮影拒否を示す「ネームカード」または「マスク」を配布して着用してもらう

という方法です。

カメラマンは「2」で配布するネームカードやマスクをしている人が映りこまないように配慮するか、それらの人がメインに来ないよう配慮さえすれば、あとは前からでも横からでも写し放題ですし、撮影したデータを加工する際も、ネームカード・マスクの人に配慮するように伝えるとよいでしょう。

ひと手間かけるだけでイベントの雰囲気や参加者の表情が伝わりやすくなるので、検討してみましょう。

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なお、「1」の書類は記入してもらう名前が個人情報にあたるため、管理には注意が必要です。記入してもらった書類は、イベントの最中・終わった後に誰がどのように管理するのかをきちんと決めておき、鍵のかかる場所に保管しておくか、セキュリティをしっかりかけた状態でデータ保存しておくとよいでしょう。

「1」なしでも進めることはできますが、同意を書面で取っておくことで、いざWebサイトに掲載したあとに「自分の写真を削除してください」と依頼されることが減ると思いますので、面倒くさがらずトライしてみましょう。

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MARCHITECT

大阪出身。大学卒業後上京し、一部上場の教育系の出版社でコミュニティ運営、サイト企画、編集、Webプロモーションなどに約15年従事。
退職後、フリーランスとしてNPOや社会的企業を中心に、事業計画・運用改善・ディレクション・プロモーション・編集・ライティングなどでサポートしています。