ブログサービスに書きためた記事を、本体Webサイト内に引っ越しするメリットは何?

「livedoor、アメブロ、FC2などのブログサービスを利用してきたけれど、リニューアル等を機にブログサービスの記事を本体Webサイトに引っ越ししようかな…でもちょっと面倒そうだな…」と迷われるケースが多いようです。
しかし、Webサイトのドメインは分散させるよりも、できるだけ一つに集中させた方がメリットが多いことも。
そこでブログサービスの記事が大量にある場合の、引っ越しするメリットについて解説してみました。

1.どんな記事がコンバージョン(Webサイトの目的達成)に効くかが測定しやすくなる

本体Webサイトとブログが別サービスで展開されていると、Google Analyticsなどのログ解析ツールでは「コンバージョンに寄与した記事」がわかりづらくなります。
一つのWebサイトの中にブログも展開されることで、「購入」や「お問い合わせ」、「採用」「寄付」などにどのくらい効果のあった記事なのかを記事ごとに簡単に確認できるようになります。
そのため、「事業効果の少ない話題」は減らして、「事業効果の高い話題」に時間を割くことができるようになります。
筆者が以前コンサルティングした団体も、これまでの記事は「集客」には寄与してPVは稼いでいるもののほぼすべてが直帰していることが判明したため、ブログの話題を別のものに変更したところ、コンバージョン率が高まりし、サイト全体の価値が高まったというケースがありました。
参考記事:Webサイトの何を改善すればいいかわからないならGoogle Analyticsの「目標」と「ページの価値」設定!

2.本体WebサイトとブログでSEOが分散されないため、本体WebサイトのSEO対策になる

本体Webサイトとブログが別サービスで展開されていると、それぞれに別物として検索エンジンが巡回していくので、「ブログはSEOに強いけれど本体Webサイトは弱い」、または「本体Webサイトもブログも検索上位に上がってこない」という状態になりがちです。

本体Webサイトとブログが一つのWebサイトの中で展開されることで、本体Webサイトの記事が増えたり更新されたりしていると検索エンジンに判断してもらえるため本体WebサイトのSEO対策となり、分散されているよりは検索上位が期待できるようになります。

3.本体WebサイトをWordPressなどのCMSで制作している場合、ブログ記事へリンクを貼りやすい

本体WebサイトをWordPressなどのCMSで制作している場合、これまではブログ記事にリンクを貼るのに、ブログ記事を表示させて記事名をコピペ、URLをコピペ…という作業が発生していたと思います。
逆に、ブログ記事から本体Webサイトへのリンクを貼るときも、本体サイトのコンテンツを表示させて記事名をコピペ、URLをコピペ…という作業をしていたかと思います。

しかし本体Webサイトとブログ記事を一体化することで、相互のリンクをしたいときは、本文入力画面でリンクボタンを押して、プルダウンから候補のリンク先を選べるようになります。
ちょっとした手間の違いですが、リンクミスが激減するメリットです。

キャンペーンバナーなど、本体Webサイトでもブログでも貼り付けたい画像がある場合もひとつのデータベースから持ってこれるようになるので管理が楽になります。

4.ID/パスワードの管理が楽になる

本体Webサイトとブログが一体化しますので、1人が管理するID/パスワードは1種類でよくなります。

また、WordPressなどのCMSで本体サイトを制作している場合は利用者ごとにアカウントを付与できるため、複数人でブログを書くといった場合も一つのID/パスワードを使いまわすのではなく、ひとりひとりが個別のID/パスワードを使うことができるので、たとえば退職者が出た時のセキュリティ管理も楽になります。

以上が、ほぼ確実に享受できるメリットです。
それ以外にも、このようなリスク回避ができます。

5.無料ブログサービスそのものが検索エンジンにペナルティを受けて表示されなくなるリスクがなくなる

以前FC2ブログがGoogleのペナルティを受けて一時的にではあるものの多くの罪のないユーザーが巻き添えになるという事件がありました。

こういった、「ブログサービス全体」の事故に巻き込まれなくなるというデメリットは消滅します。

ただし、引っ越し前にいくつか気を付けておきたいこともあります。

ブログ記事を本体Webサイトへ引っ越しの際に気をつけたいこと(引っ越しのデメリット)

1.本体サイトのSEOが弱い場合は注意

これまで記事を蓄積していたブログサービス以外に、本体Webサイトにリンクしている外部Webサイトが少ない場合は、一時的に本体WebサイトのSEO結果が悪化することがあります。

事前に本体サイトに信頼のおける外部サイトからリンクをもらえるように調整しておくとよいでしょう。

2.大量に画像を掲載している場合はそれなりの手間がかかる

大量に記事がある場合は、テキストデータはともかく(※)画像については手間がかなりかかります。

・画像を各自でダウンロードする手間がかかる
・新たな引っ越し先に画像アップしなおす手間がかかる
・ブログサービスからダウンロードしたテキストデータの、画像リンクの記述を新しい画像URLに書き直すという手間がかかる

あまりにも大量にある場合は、関連記事「ブログ等にアップした大量の画像データを一括でダウンロードする方法」にあるように、外注を検討してもよいでしょう。

(※)ブログサービスによってはテキストデータすらエクスポートできない場合もあります。

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MARCHITECT

大阪出身。大学卒業後上京し、一部上場の教育系の出版社でコミュニティ運営、サイト企画、編集、Webプロモーションなどに約15年従事。
退職後、フリーランスとしてNPOや社会的企業を中心に、事業計画・運用改善・ディレクション・プロモーション・編集・ライティングなどでサポートしています。