学生モデル選び・撮影の注意点とは

教育系の事業をやっている場合、学生モデルの撮影は不可避ですが、行政・学校・大学等、堅めの業種のステークホルダーにいる場合の学生モデル選び・撮影前の注意点を挙げておきます。

髪の色・カラコンに注意

たとえその学校の大多数の学生が茶髪であろうとも、広報物に明るい茶髪の学生を出すことを避けたがる学校はいまだ多いものです。学校側に手配してもらった学生が茶髪の学生しかいなかった場合は、「髪の毛を黒く加工してほしい」とオーダーされることも珍しくありません。

髪の毛を自然な色に加工するには、かなり時間のかかる作業となり、また、本人からも「こんなの嫌だ」とNGが出てしまうなど、調整のための人件費・外注費がかさむことになります。

学生にお願いして、一時的に髪の色を落ち着いた色に染めなおしてもらうほうが安くつくこともあるくらいです。
あらかじめ、髪の色の加工には別途それなりの費用が掛かることをステークホルダーに認識してもらったうえで学生を選んでもらうこと、そして可能であれば茶髪でない学生モデルを起用してもらうのがもっともスムーズです。

カラコンについても同様で、外してもらった方が無難でしょう。

シャツのボタンに注意

制服等のシャツのすべてのボタンを閉じている学生のほうが珍しい昨今ではありますが、こちらも広報物を撮影する際はすべてのボタンを閉じていることを求めるステークホルダーが多い傾向があるように思います。

自然な姿以外に、シャツのボタンをすべて閉じてもらって撮影したカットもおさえておくと無難です。

露出や華美な服装も未然に防ぐ

夏の場合はノースリーブ、短パンなどの露出の多い服になりがちですが、これも嫌がるステークホルダーは多いです。袖のあるものを着用するよう、事前にモデルに依頼しておくとよいでしょう。

あまりに高そうなブランド服や腕時計、アクセサリーなども、反感を買うという理由で敬遠されます。(撮影後、大学側の依頼で学生が着用していた高級腕時計をPhotoshopで「消す」という加工が発生したこともあります…。)

服の色は明るめで、複数用意するとよい

黒や濃いグレーの服よりは、白っぽい明るめの色の服を選んでもらうと写真映えします。ブランドロゴやキャラクターなどが大きく入っていないもので…と指定するとよいでしょう。

また、他の素材との服装のまるかぶりを防いだり、キャンパスライフの自然な様子を演出するために、着替えを何着か持ってきてもらい、何パターンかの服装で撮影できると万全です。

通年使う素材であれば、「季節感が出すぎるもの」を避ける

入学・クリスマス・卒業などの訴求の季節ものでない限り、年間を通してWebサイト上で使う素材になります。その場合は、「半袖・ノースリーブ」や「厚手のニット・コート・マフラー」など、季節がはっきりわかるものを避けたほうがよいでしょう。

薄手の長袖トップスなどが無難です。
※冬の撮影などで一見普通の学生にコートを脱いでもらったら撮影に堪えない服を着ていた…ということもありえます。

女子は化粧やネイルにも注意

女子の場合は、化粧やネイルにも注意を払わなければなりません。
あまりに濃い化粧やゴテゴテのネイルの場合は、ステークホルダー側がNGを出すことがあります。
化粧はナチュラルメイクで、ネイルはなしか、薄いベージュ、ピンク程度でお願いします、とあらかじめ学生に伝えておくとよいでしょう。

これを伝えなかったがために、真っ黒のネイルをしてきた女子学生の手元が使えなかった…というケースもあります。

本人・保護者許可が取れていても、顔をはっきり写さない構図のものもおさえておく

本人・保護者の許可が取れていても、ステークホルダーがトラブルを恐れるあまり「顔が大きくはっきり写っているもの」を回避したケースもありました。
あえて少し遠めに撮影したもの、ピントをぼかしたもの、斜め後ろから撮影したもの…などもおさえておくと安心です。

撮影した素材をそのまま使えるのがもっともスムーズです。
そのために準備できることはなるべく先回りして準備しておきましょう!

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MARCHITECT

大阪出身。大学卒業後上京し、一部上場の教育系の出版社でコミュニティ運営、サイト企画、編集、Webプロモーションなどに約15年従事。
退職後、フリーランスとしてNPOや社会的企業を中心に、事業計画・運用改善・ディレクション・プロモーション・編集・ライティングなどでサポートしています。