成功している美容室の運営ノウハウをインタビューするシリーズ第二弾。
今回は前回に続き、岡山北区の「予約が途切れないサロン」、「KARUTA hair」にお話をお伺いしています。
こちらのサロン、公式サイトをお持ちではないとのことで、その理由をお伺いしました。
サイトを持っていない理由
1. すでにお客さまが充分いらしているので、今は優先度が低い
2. 仕組みや相場がわからないのでハードルが高い
3. 作っても更新できなさそう
1.今は公式サイトを制作する優先度が低い→優先度が高くなる時とは?
確かにこちらのサロンは、「地域密着型」ゆえに「あまりお客様がサイトを使わない」、かつすでに十分お客さまに来ていただいていれば、サイトの必要性は全然ないように思えます。
逆に「今は優先度が低い」とのことですが、優先度が高くなる時」は来るのでしょうか。
「スタッフを増やすフェーズ」ではサイトは作りたいとは思っています。
お客さまがサイトを見なくても、スタッフ募集にはきちんとしたサイトが必要だと思っています。
いま、美容室業界はスタッフ採用が大変なんです。
美容室は増えているのに美容師は減っている時代です。
地域によっては美容学校の運営が大変なほどだと聞きます。そんな状態ですから、学校経由で募集をかけても、今のスタッフの採用までに2年かかりました。
岡山の美容学校にすら、大阪などの大都市の美容院が寮完備だからなどとリクルーティングに来ているそうなので、強敵だらけなんです。そんなときに学生さんや、学生さんの親御さんが、就職先を検討するときにサロン名で検索して、公式サイトがなかったら・・・?不利ですよね。信頼できる店舗であることを示して安心してもらうためにも、ある程度きちんとしたサイトは用意したいとは思っています。
そう、公式サイトはお客さま向けだけではなく、スタッフ採用を検討するフェーズにサイトが必要になってくるのです。
2.「仕組みや相場がわからない」のはどのあたり?
「仕組みや相場がわからない」とのことですが、よく質問される内容をまとめてみました。
・どういう料金体系なのかがまずわからない
・作った後、更新は月額かかるものなの?
・サーバー代?とかって何?
・制作費用の相場ってどのくらいなの?
それぞれに解説をご用意していきますので、お役立てください!
3.「作っても更新しなさそう」 → 本当に更新は必要なのか? を検討する
今回お話をお伺いしたオーナーは「作っても更新しなさそう」ということを心配しておられましたが、「更新する/しない」はコンテンツによって異なります。
店舗の公式サイトは、「原則更新しない情報」を基本に、「更新する情報」はオプションで成り立っています。
「原則更新しない情報」→ 店名、住所、電話番号、営業時間、メニュー・料金、店舗写真など
「更新する情報」 → 月ごとの店休日、時季ごとの取り組み、新しいサービス、商品の紹介など
つまり、マスト要素は「原則更新しない情報」。
オプションとして「更新する情報」があるわけで、自分たちが割けるパワーと相談して、どれくらいの頻度で何を更新していくかを決めればよいと思います。
※「更新する」と検索エンジンで検索したときに、サイト内に含む言葉が多少は引っかかりやすくなるというメリットはあります(SEO)。
しかしこちらのサロンの場合は「スタッフ採用」に重点を置いており、「スタッフがいくつかに絞った店舗を比較する際」に名指しでアクセスしてくることを考えると、店名で検索したときに上位表示されれば十分だと思います。(珍しいお名前なので、その点では競合は少ないと考えられます)
そして、「スタッフ採用」に的を絞っているなら、「就職を検討している層」が安心できる情報を掲載しておく必要があります。
たとえば「職場の人間関係がよい」ことを伝えたいのであれば、ブログのように「更新されていく情報」であろうと「更新しない情報」であろうと、それがわかるコンテンツを用意できればどちらでもよいと思います。
「更新しない情報」でそれを示そうとするならば、理念がわかるものや、オーナーの大切にしているポリシー等でもいいかもしれませんね。
こちらのサロンの場合は「スタッフ第一。よくお客さま第一というけど、スタッフを大事にすることで、お客さまを大事にしてくれるようになります。」とおっしゃっていたので、どのようにスタッフを大切にしているのかということが示せるとよいと思います。
給与・待遇、研修制度、裁量、勤務時間などの労働条件で差別化することを検討するのがいいかもしれません。
スタッフになってほしい人が、何がクリアになれば自分のお店に来てくれるのかをつかんで、そのカウンタートークを用意していけるとよいですね。
ヒアリングを終えて
上記のようなケースでは、「公式サイト制作よりもご来店いただいているお客さまへのサービスを優先する」という考え方で正解だと思います。
必ずしもサイトが必要なわけではないので、予算や状況に合わせてご判断いただくのが良いと思います。