ウェブサイトに載せる記事として、イベントレポートを書くことになったらどんな準備が必要で、何に気をつけたらよいでしょう? 初めてイベントレポートを書かれる方向けに、筆者が準備していること、気をつけていることをまとめてみました。
準備編:「何のための記事か」を固める
ウェブライティングを依頼するときに伝えるべきポイント10や取材・インタビューで準備・心構えしていることでもお伝えしましたが、「どんな人に向けた何のための記事なのか」によって同じイベントでもおさえるべきポイントは変わってきます。
想定読者
イベント参加者の場合
イベントを個人的に振り返ってほしいのか?SNS等で拡散してほしいのか?によって盛り込む内容が異なります。
イベントに参加したかったけれどできなかった人の場合
参加しなくても内容がわかる状態にしてあげたいのか? 次回のイベントに参加してほしいのか?によって盛り込む内容が異なります。
イベントのテーマに関心があり、検索などで探している人の場合
イベントを軸としつつも各種の関連情報を集め、ひとつの読み物として完結させるほうが離脱率を低くできるかもしれません。
イベント主催者や登壇者に興味のある人の場合
イベントに向けた準備や、当日の会場の様子、登壇者にクローズアップしたほうがいいかもしれません。
イベントのスピーカー(登壇者)を探している人の場合
イベントの盛り上がりや、イベント参加者のビフォー・アフターにクローズアップしたほうがいいかもしれません。
ウェブサイトの責任者(または記事の責任者や上司)に、その記事の想定読者と、その人たちにどうなってほしいのかというゴールを確認して臨むようにしましょう。
SEO対策が必要な場合は、おさえるべきキーワードも確認しておきます。
準備:取材許諾の取り方
自社主催のイベントでない限り、取材許諾を取るのが普通です。
- 媒体資料(何のための媒体で、どんな読者がどのくらいいるのか)
- 取材目的(何のための取材でなのか、背景等)
- 希望掲載時期
- 問い合わせ担当者・連絡先
などをお伝えして、許諾がもらえたら、下記についても確認しましょう。
- 取材者用席を用意してもらえるか(パソコン使用の場合はテーブルがないと厳しいです)
- 写真撮影やパソコン操作などで配慮すべき点がないか
- 当日投影資料のデータ提供の可否(イベントを詳しく紹介したいときにあると便利です)
当日:持ち物
取材に持っていくものを準備・確認しましょう。
基本的にはインタビュー取材の際の持ち物と同じですが、パソコンでメモを取る場合は、長時間イベントだと充電がもたないこともあるため、予備のバッテリーを用意するか、コンセント使用許諾を取ったうえでコンセントが利用できる席を用意してもらうとよいでしょう。
当日:写真
イベント実施から記事公開まで時間がない場合、イベント中にメモを詳細に取っておくと記事の作成がぐっと楽になります。
ただ、同時並行で写真撮影もしなければならない場合は、かなりあわただしくなります。
可能であれば、写真撮影要員としてもう一人会場にいると安心です。
難しい場合は、主催者に当日の写真をお借りできないか交渉してみてもよいでしょう。
参考)
セミナーや授業、イベント写真撮影時の注意点とコツ
イベント撮影を担当することになったときにおさえておきたいショットや撮影のコツ
オンラインイベントの取材の場合
オンラインイベントをオンラインで取材する場合は、登壇者のみの画面キャプチャ、参加者が一覧で見える画面キャプチャなど、単調にならないよう、目的に合わせてイベントの画面を複数撮影しておくとよいでしょう。
イベントの最後などに参加者一覧を撮影する際は、主催者に取材媒体と取材目的について参加者に話を通しておいてもらうとスムーズです。
撮影対象の表情が固くならないよう、イベントにちなんだポーズをとってもらう、笑顔がおさえられるような声のかけ方をするなどに配慮するとよいでしょう。
当日:イベント終了時
初対面の人との対面イベントであれば、イベント終了時に登壇者と名刺交換をするのがおすすめです。
イベントレポートを公開した際に、公開連絡をすることで、登壇者が記事をSNS等で拡散してくれるかもしれません。
また、イベント開催日から記事公開まで余裕のある場合で、主催者から許諾がもらえる場合は、参加者のアンケート結果をもらえないか確認してみるとよいでしょう。
執筆:目的によって、取捨選択・順番の入れ替え
メモ、音源といった素材がそろったら執筆にかかります。
*テープ起こしした音源があれば執筆作業も確認作業もはかどります。
目的や想定読者によりますが、下記のような要素を盛り込みます。
- イベント名
- 主催者名
- イベント日時
- 会場
- イベントの目的
- イベント規模(参加者の人数。想定より少ない場合は出さないこともあります)
- 登壇者(所属)
- 話された内容(詳細なこともあれば概要だけのことも)
- 参加者の様子(当日の様子、ビフォー・アフター、参加しての声、アンケート結果)
記事を書くのに慣れていないと「〇時 会場、〇時 **さんの挨拶、 〇時 一人目の登壇者…」のように、時系列に書いてしまいがちですが、必ずしも時系列に書く必要はありません。想定読者がどんな状態でページに来訪するか、またどんな状態になってもらいたいかによって、載せるべき項目や見せる順番は変わってきます。
執筆:ファクトチェック
登壇者の話したことについて詳細なレポートを書く場合は、ファクトチェック(事実確認)をするとよいでしょう。登壇者がうっかり間違えてしまっていることもあるためです。人名、地名、団体名といった固有名詞や、予算や規模などの数字についても、事実かどうか確かめておくと安心です。出典がわからない場合は、可能な限り登壇者に確認してみましょう。
もし登壇者の話したことと異なる箇所があれば、主催者や登壇者へのチェック出しの際に一言伝えておくとよいでしょう。
上記について、実体験を盛り込んだ「社内向けライティング研修」や実際の取材・インタビューも承ります。料金はこちらをご覧ください。
https://h2o-space.com/service/writing/