Webに詳しくない人が、Webサイトを制作・運用する際のデザインの注意点やコツ

「どんな広報物にしたいか話し合う」という準備運動をしておこう

Webサイトに限らず、また、経験の有無によらずですが、企業・団体の広報物について統一感を出せるよう、実際のデザインに入るまでの準備が大切になります。

理念やキャッチコピーがすでにあるようならそこから連想する形になりますが、自分たちの企業・団体を表す形容詞を出し合ってみましょう。
あなたの企業・団体はどのような言葉で表せるでしょうか。

「明るい」「はつらつとした」「明瞭な」「うきうきする」…
「信頼できる」「落ち着いた」「地に足の着いた」「実直な」「誠実な」…
「あたたかい」「やわらかい」「やさしい」「包み込むような」…
「スタイリッシュな」「スマートな」「クールな」「モダンな」「かっこいい」…
「かわいい」「愛くるしい」「キュートな」…
「元気な」「快活な」「わくわくするような」…
「清楚な」「凛とした」
などなど・・・。
様々な形容詞の中から、自分たちの理念や事業に合っているものを選び、3~4つに絞り込んでいきましょう。

次に、その言葉を表す色やデザインを持ち寄って、デザインのルールを明文化してみるとよいでしょう。「落ち着いた雰囲気」などと言葉だけで説明するだけでは、それぞれの心の中に浮かぶイメージは異なります。
暖色でしょうか、寒色でしょうか。
濃い色でしょうか、薄い色でしょうか。まずはテーマカラーをメイン・サブ・差し色の3色くらい決めましょう。

憧れのWebサイト、イメージの近いWebサイトを探す

次に、先ほどまでに出した「形容詞」や「カラー」に基づいて、自分たちのイメージに近いデザインを探します。
例えば下記のようなカタログサイトを見ながら、自分たちのイメージに近いWebサイトを探してもよいでしょう。

http://bm.straightline.jp/
http://muuuuu.org/
http://www.webdesignclip.com/

インターネット黎明期と異なり、現在は「これまで存在しなかったまったく新しいサイト」を作り出すというのは、かなり難しいと思います。
同業者・類似業者・他業者で、自分がやりたいと思っていることを実現している会社やWebサイトがきっとあるので、まずはその類似サイトを探し、デザイン的にやコンテンツ的に、「こういうのをやってみたいなあ」というイメージを、共有するようにしましょう。

そのうえで、その「いいなあと思うWebサイト」をたたき台に、原則使ってよいカラーやその使用個所、フォントの大きさ、種類、行間、文章量どのくらいに対して目休めなどの画像があるかなど。
ルールを先に決めておくと、団体内で複数の人の違う意見で迷走、空中分解が避けられると思います。

大事にしたい理念から降りてきた、イメージを表す形容詞たちと、それを表していると思うデザインのサンプルがあると、デザイン作業をする人もかなりやりやすいはずです。

このあたりは、「NPOのためのデザイン」さんの記事がとてもわかりやすいです。
自分たちの色をどう決める?NPOのテーマカラーを決めるための7つのポイント

Webサイトは「出してからが始まり」なので、運用マニュアルを持つと安心

Webサイトは紙媒体と違い、出してからが始まりと言っても過言ではりません。
記事を追加したり、修正したり、リニューアルしたりということが必要になってきます。

最初はみんなで決めたルールも、1年経ち、2年経ち…としているうちに、担当者が異動になったり辞めてしまったり、また新しい人が入ってきたり。
NPOの場合はボランティアがどんどん入れ替わることも珍しくありません。

作業者が入れ替わると、何のためにこの作業をしてるんだっけ?という疑問から、それぞれの独自解釈が進んでしまい、実りの少ない作業へと進化(退化?)したりすることもよくあることです。
Webサイトを運用する目的と、それを実現するコンテンツ、それらの各種運用の目的と頻度と作業手順をまとめておくと重宝すると思います。

忙しくて着手できない…ということは多々ありますが、トラブルが起こるのは、人員が欠けたり組織が入れ替わった際に引継ぎがきちんとなされていないことに起因することも多いのです。「緊急度は低いけれど、重要度は高い仕事」ということをこなしていかないと、いつまでも「緊急度が高いけれど重要度が低い仕事」に忙殺されて、「切れないナタで草を刈る」ような不毛なことに、多くの時間を割いてしまうことになりがちです。

写真をあしらうなら、手を抜かないこと

デザインの知識がそれほどなくても、今は各種CMS(コンテンツマネジメントシステム)のサービスの中のテンプレートも豊富にありますので、基本はそのテンプレートを選べばレイアウトはそれほどおかしなことにならないと思います。

ただ、写真をあしらう場合は力を入れて用意しましょう。
写真のよしあしでWebサイトの印象はだいぶ違うので、写真の腕を鍛えるか、カメラマン雇うか、素材を買うか…などして、見栄えのよいものを使うようにするとよいと思います。

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